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2008年3月28日 (金)

日本の知力 3話

読売新聞では、第2部もとうに終わっているのに今更第1部の第3話か?と言われそうだけれども、ゆっくり書いてる暇が無かった。この手の話を自分なりにまとめるには多少なりともモードの切り替えが必要なのだけれども、じっくり物を考えるモードにスイッチが中々入りっぱなしにならなかった。断片的に話のモチーフは出来上がるのだが、落とし所に向かって話が流れて行かない。特に笑いを扱う3話では、いい加減なところで話の落ちを付けたくなかった。

1面は、「笑いは進化の証し」。愛知県犬山市にある京都大霊長類研究所のチンパンジーの「新生児微笑」から「社会的微笑」に発展することを皮切りに、有名人の「笑い」に関する言葉を例に挙げ、知性と笑いについて、”笑いこそヒトが獲得した最も豊な「知力」ではないだろうか?”と結んでいる。

「人間は最もよく笑う猿である。」京都大霊長類研究所松沢所長
滑稽=「純粋理智に呼びかけるもの」ベルクソン「笑い」(哲学者1859~1941、フランス)
「人間は知力で笑う」桂文珍(落語家)
「笑いがなければ、人間は言葉も獲得できなかった」木村洋二「笑い進化論」(コミュニケーション論、関西大学教授)
「1985年のジュネーブ会談でレーガン大統領(当時)が旧ソ連のゴルバチョフ書記長(当時)のことを「ディスアーミングな人」と評したと言う核軍縮を進めたジョーク。軍縮と敵意を失わせるの二重の意味を付けたらしい」松村増美(元同時通訳者)
「人は、笑った瞬間、追い詰められた現状を抜け出し、新しい方向を見出すことが出来る。」井上ひさし(劇作家)

これらの笑いと知性を語る言葉を引用しながら、進化と笑いを結び付けている。

芸人達が「玄人受けする漫才」などという言い方をするが、彼らに言わせれば「笑わせることに精進しているからこそ解る面白さ」なんだろうか?見ていると、重箱の隅をつつき過ぎて、さして面白くもないのだが、研究が狭い分野に突き進みすぎて普遍的価値を失ってしまうように、芸人同士でしか解らない笑いでは、いくら高度に知的な笑いでも社会的な意味はないだろう?やはり、他人と分かち合える笑いでないと共感を得、他人と一体感を生む笑いには成り得ないのではないだろうか?そもそも、そうでなければ笑うことすら、無意味になる。

2面は、落語家 桂 文珍さんに聞く「自分を笑う 成熟社会」

落語は「知の笑い」である。聞き手の想像力=知力が無いと笑うことが出来ない、と言っているようです。また、
”笑いには「縦の笑い」と「横の笑い」に分類できます。「縦の笑い」には、「嘲笑」や「風刺」、「横の笑い」は「あんたもやっぱりそうか」という仲間同士の共感です。成熟した社会では「横の笑い]が増える。人間共通の弱さ、悪、ずるさを認めた上で「自らを笑う」。自分の姿を、もう一人の自分が、離れた所から眺める。客観視する。能を大成した世阿弥は「離見の見」と呼びました。兼好法師の「徒然草」ににじむ諧謔にも通じる精神です。”
と言っています。自らを笑う知性に笑いの本質を見ているのでしょうか?
また、戦後日本の効率・合理化による経済成長の疲弊を見て、笑いが齎すコミュニケーション力を次代の経済成長のキーと考えているようです。何せ人を笑わすのには相当の知力が要りますのでね。

高校生の時以来だが、広辞苑で「・・・笑い」、「笑い・・・」と言うのを引いてみた。「・・・笑い」で33項、「笑い・・・」で23項ある。笑うことのコミュニケーション上の重要性が推し量れるだろうか?日本語にこれだけ多くの「笑い」に関する言葉があるだけでも、コミュニケーションにおける笑いの社会的成熟度を見て取るのは、僕の勘違いだろうか?

長続きしているお笑いブームは、一億総お笑い芸人化と思えるほど素人とは思えないような芸人風の素人を大量に作り出している。(文珍さんが言うような笑いとは、ちょっと異質なものを感じるが、単に馬鹿馬鹿しいだけでは済ませられない芸人さんも沢山居ますので。)女性の好みのタイプも「面白い人」が上位らしい。陣内藤原紀香風に面白い人がモテるようになり、面白くない人が子孫を残せないような事がこのまま続くと桂 文珍さんが言うように日本人の遺伝子説も信憑性が増すかも知れない。文珍さんは、日本人には元々高度な笑いを理解する能力に長けている、と言っている。普通数百年レベルで遺伝子が変化するとは思われていないけど、人間の思考は育った環境に依存するので、「笑う文化」に晒されているためと考えるならば、文珍さんの言うように日本人特有の笑いに対する進化と言える話になるかも知れない。

そう言えば、読売新聞の日本の知力担当者のブログを見つけたんですよ。どうも年間企画らしいので、第何部まで行くかは解りませんが、まだ続くようです。楽しみ♪

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